この記事の結論

NemoClawは9月22日にv0.0.128、24日にv0.0.129を公開。設定のv1alpha1形式書き出しや、OpenClaw 2026.9.1・Hermes 0.21.3の同梱などが変更点です。

概要:設定の持ち出しと同梱ランタイムの更新

NVIDIA NemoClawは、2026年9月22日(UTC)にv0.0.128、9月24日(UTC)にv0.0.129のタグを作成しました。リリース概要によると、コミット数はv0.0.128が61件、v0.0.129が16件です。v0.0.129は、レビュー済みの文書とE2Eテスト結果を保つため、以前に選んだリリース候補をそのまま採用した「historical」選定である旨が記載されています。

2本の中心は、サンドボックスの設定を決まった形式で書き出すnemoclaw config exportの整備です。v0.0.128でnemoclaw.nvidia.com/v1alpha1という形式への出力に対応し、v0.0.129でその内容がさらに補強されました。あわせて、管理イメージに含まれるOpenClawとHermesのバージョンが上がり、推論まわりの表示や検証も改善されています。

日本の利用者にとっては、検証機で作った設定を別のマシンへ移す、設定内容を社内の変更管理に残す、といった作業の足場が整ってきた更新です。ただしv1alpha1はその名のとおり初期段階の形式で、今後変わる可能性がある点には注意が必要です。

設定エクスポート:v1alpha1形式に対応

v0.0.128では、単一エージェント構成のOpenClaw、Hermes、Deep Agentsのサンドボックスについて、nemoclaw config exportがv1alpha1形式を出力するようになりました。OpenClawとHermesの出力では単数形のsandbox.agentフィールドが使われます。社内認証局(corporate CA)を取り込んだ状態でも出力が止まらなくなりました。サポート外の複数エージェント構成は、エージェントを黙って落とすのではなく、出力前に失敗させます。

v0.0.129では、v1alpha1で省略した既定値によって挙動が変わってしまう場合に、実際に効いているOpenClawとHermesの設定を保持するよう改善されました。管理プロキシ付きのOllamaや固定の管理vLLMプロファイルを使うOpenClawでは、ローカル推論サービスのテンプレートも出力されます。このテンプレートにはimage: nullが入っており、v1として解釈・計画する前に、公式で固定された互換性のあるランタイムイメージに置き換える必要があると明記されています。

同梱ランタイムと推論まわりの変更

v0.0.128で、管理イメージにOpenClaw 2026.9.1とHermes 0.21.3が含まれるようになりました。新規にHermesを入れた場合はオンボーディング中に作ったポート転送が保たれ、認証情報の変更時にはゲートウェイの復帰とメッセージ用の転送の復活を確認してから切断を受け入れます。

nemoclaw statusは、各サンドボックスに設定された推論プロバイダーとモデルを、共有ゲートウェイの実際の経路とは分けて表示するようになりました。JSON出力には秘匿処理済みのconfiguredInferenceが追加され、従来のproviderとmodelの意味は変えていません。NVIDIA Endpointsの検証では、Nemotron 3 Superに対して文書化されたreasoning_effort: "none"を使うようになりました。

v0.0.129では、NVIDIA Endpointsのオンボーディングで廃止済みのMiniMax M3モデルが選ばれなくなりました。対話式では代わりのモデルを尋ね、非対話式では設定済みの適格なモデルかエージェントの既定モデルを使います。OpenRouterのモデル選択はNVIDIAの廃止方針とは別扱いです。

インストールとWindows・Linux環境の改善

v0.0.129では、NVIDIAのホスト型推論の認証情報が無い状態でインストールする場合に、HermesとLangChain Deep Agents Codeがオンボーディングを後回しにできるようになりました。その場合、インストーラーはプロバイダーやサンドボックス、完了済みのオンボーディング状態を作らず、後からエージェントのオンボーディングコマンドで設定を完了します。APIキーの発行を待たずに導入だけ先に済ませたい社内検証では便利です。

OpenClawゲートウェイの再起動時は、更新したプラグインを新しく読み込み、/readyzがHTTP 200と{"ready":true}を返すまで待ってからポート転送を修復します。ホストの準備状況チェックではLinuxのディストリビューションとリリースを報告し、検証対象外やはっきりしない場合は警告を出します。Windows on ArmのGPU確認では、報告される全デバイスと合計容量を確認するようになりました。

v0.0.128には、Docker 27での保護された受け渡し(receipt transfer)への対応やmacOSでのモデルキャッシュを残したままの初期化オプション、先頭にゼロが付いたポート番号の事前拒否、Teams連携のWebhookポート確認なども含まれています。

日本の利用者がやること

まず、NVIDIA Endpoints経由でMiniMax M3を選んでいた環境では、v0.0.129以降のオンボーディングでMiniMax M3が選ばれなくなり、対話式では代わりのモデルを尋ねられます。非対話式のセットアップスクリプトを使っている場合は、どのモデルが選ばれるかを事前に決めて設定しておくと、意図しないモデルで動き出すことを避けられます。

次に、設定エクスポートを他マシンへの移行や社内の構成管理に使う場合は、出力に含まれるimage: nullを必ず確認してください。そのままでは使えない箇所として意図的に空けてあるため、利用するランタイムイメージを明示的に指定する運用が必要です。

最後に、監視スクリプトでnemoclaw statusのJSONを読んでいる場合、新しいconfiguredInferenceを使うと「設定上のモデル」と「共有ゲートウェイで実際に使われている経路」を区別できます。複数部署で1台のゲートウェイを共有している環境では確認しておく価値があります。以上はGitHubのchangelogに基づく内容で、当サイトでの実機検証結果ではありません。

出典