NemoClaw料金の結論:ソフトは無料、インフラで費用が発生

まず結論を先にお伝えします。

NemoClawソフトウェア自体:完全無料(Apache 2.0ライセンス)
ダウンロード・使用・改変・商用利用すべて無料。NVIDIAへのライセンス料は一切不要。

ただし、実際に使うと以下の費用が発生します。

  • NVIDIA APIキー:クラウド推論を使う場合にトークン課金
  • GPUインフラ:ローカル推論・オンプレミス運用をする場合
  • Enterprise NIMライセンス:本番環境でNIM(推論マイクロサービス)を使う場合
  • サーバー費用:クラウドVMやVPSの利用料

使い方と規模によって実質的な月額コストは無料〜数百万円まで大きく変わります。

無料で使える範囲

NemoClawを完全無料で使える構成があります。

無料で使える構成(個人・開発・検証用)

コンポーネント料金条件
NemoClawソフトウェア無料Apache 2.0、制限なし
OpenShellランタイム無料NemoClawに同梱
NVIDIA APIキー(無料枠)無料build.nvidia.com 月5,000クレジット
Nemotron 3 Nano 30B(ローカル)無料自前GPU必要(RTX 4090以上推奨)
GitHubリポジトリ無料NVIDIA/NemoClaw

NVIDIA APIの無料枠(月5,000クレジット)内に収まれば、APIキーも実質無料です。個人開発・PoC・学習目的であれば無料枠で十分なケースが多いです。

NVIDIA APIの無料クレジット詳細

NVIDIA build.nvidia.comに登録すると毎月以下の無料クレジットが付与されます。

  • 月5,000クレジット(リセット:毎月1日)
  • Nemotron 3 Super 120B:入力1Mトークンあたり$0.40相当
  • Nemotron 3 Nano 30B:入力1Mトークンあたり$0.10相当

1日あたり約166クレジット。軽い使い方(テスト・開発)であれば無料枠内に収まります。

NVIDIA API(クラウド推論)の料金

無料枠を超えた場合のAPIコストです。

Nemotronモデル別単価

モデル入力(1Mトークン)出力(1Mトークン)用途
Nemotron 3 Super 120B$0.40$0.40複雑なタスク・高精度
Nemotron 3 Nano 30B(API)$0.10$0.10日常タスク・コスト重視
Nemotron 4 340B$1.20$1.20最高精度(研究用途)

1トークン ≈ 0.75日本語文字。1万文字の処理 ≈ 約13,000トークン ≈ 約$0.005〜$0.016(Nano〜Super)

月額API料金の目安

利用シーン月間トークン目安月額API費用(Nano)月額API費用(Super)
個人・検証(軽い利用)〜5M無料枠内無料枠内〜$2
小規模チーム(5人)50M〜200M$5〜$20$20〜$80
中規模業務自動化500M〜2B$50〜$200$200〜$800
大規模エンタープライズ10B+$1,000+$4,000+

インフラ費用(サーバー・GPU)

ローカル推論やオンプレミス運用をする場合のインフラコストです。

クラウドVM費用(GPU不使用)

クラウドインスタンススペック月額目安
AWSt3.xlarge4vCPU / 16GB約¥20,000
GCPn2-standard-44vCPU / 16GB約¥18,000
AzureStandard_D4s_v34vCPU / 16GB約¥22,000
Xserver VPS8GBプラン6vCPU / 8GB約¥4,000

GPU不使用の構成(クラウド推論のみ)であれば、VPSで月額数千円から運用できます。

GPUインフラ費用(ローカル推論)

Nemotron 3 Nano 30Bをローカルで動かす場合のGPU費用です。

選択肢GPUコスト特徴
NVIDIA DGX SparkGB10 Grace Blackwell約¥750,000(購入)NVIDIAの公式推奨デバイス
RTX 4090搭載PCRTX 4090(24GB)約¥350,000〜(購入)個人・小規模向け
AWS g4dn.xlargeT4(16GB)約¥60,000/月クラウドGPUレンタル
GCP A100A100(40GB)約¥280,000/月高性能・大規模向け

Enterprise NIMライセンス

本番環境でNVIDIA NIM(推論マイクロサービス)を使う場合、Enterpriseライセンスが必要です。

  • 価格:$4,500/GPU/年(NVIDIA AI Enterpriseライセンス)
  • サポート・SLA・セキュリティパッチが含まれる
  • 開発・テスト目的ならフリートライアル(90日)あり

ただし、アルファ版の現在はEnterpriseライセンスなしでも動作します。本番運用を検討する際に検討が必要です。

利用シナリオ別の月額コストシミュレーション

具体的なユースケースごとに月額コストをまとめました。

個人開発者・学習目的

項目費用
NemoClawソフトウェア¥0
NVIDIA API(無料枠内)¥0
VPS(ローカルPC利用なら不要)¥0〜¥4,000
合計¥0〜¥4,000/月

スタートアップ・小規模チーム(5〜10人)

項目費用
NemoClawソフトウェア¥0
NVIDIA API(Nano、月100M〜500Mトークン)¥1,500〜¥7,500
クラウドVM(AWS t3.xlarge)¥20,000
合計¥21,500〜¥27,500/月

エンタープライズ(50人以上、GPU運用)

項目費用
NemoClawソフトウェア¥0
NVIDIA API(Super、月10B+トークン)¥600,000+
Enterprise NIM(4GPU)¥270,000/月($4,500×4/12)
GPU VM(AWS g4dn.2xlarge × 4台)¥480,000
合計¥1,350,000+/月

大規模エンタープライズでは、自社GPUサーバー(DGX Station等)を購入してローカル推論に切り替えることでランニングコストを大幅に削減できます。

NemoClawのコストを下げる方法

NemoClawの実費を最小化するための実践的な方法を紹介します。

1. Nanoモデルを優先的に使う

Nemotron 3 Nano 30BはSuperの1/4のコストです。複雑な推論が不要なタスク(要約・分類・定型文生成など)にはNanoを使い、SuperはAIが判断・計画するタスクに限定するだけで大幅にコストが下がります。

# タスク別モデル指定の設定例(blueprint.yaml)
routing:
  simple_tasks: nemotron-nano-30b
  complex_tasks: nemotron-super-120b
  threshold: complexity_score > 0.7

2. プロンプトキャッシュを活用する

同じシステムプロンプトを繰り返し使う場合、NVIDIAのプロンプトキャッシュ機能でトークン費用を削減できます。キャッシュヒット時は通常の25%のコストになります。

3. 長期的にはローカル推論へ移行

月額API費用が¥50,000を超える場合、RTX 4090搭載PCやDGX Sparkへの投資を検討してください。初期費用はかかりますが、1〜2年で元が取れることが多いです。

月額API費用投資回収期間(DGX Spark ¥750,000)
¥50,000/月15ヶ月
¥100,000/月7.5ヶ月
¥300,000/月2.5ヶ月

OpenClawと比較したコスト差

「NemoClawとOpenClawどちらが安いか?」という疑問に答えます。

項目OpenClaw(素)NemoClaw
ソフトウェア無料無料
LLM API(例:月50Mトークン)$5〜$50(任意のAPI)$5〜$50(NVIDIA API推奨)
インフラ軽量(最低2GB RAM)重め(最低8GB RAM推奨)
セキュリティ機能なしOpenShell込み(無料)
Enterprise NIM不要本番利用時¥375,000/GPU/年

個人・スタートアップレベルではほぼコスト差なし。エンタープライズ本番運用ではNemoClawのほうが高くなります。ただしセキュリティ・コンプライアンス要件を満たすためのコストと考えると、NemoClawのほうがトータルで安くなることも多いです。