NemoClaw GitHubリポジトリの基本情報
NemoClawのソースコードはNVIDIA公式のGitHubリポジトリで公開されています。Apache 2.0ライセンスのもと、誰でもソースコードの閲覧・フォーク・コントリビューションが可能です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| リポジトリURL | github.com/NVIDIA/NemoClaw |
| ライセンス | Apache License 2.0 |
| スター数 | 4,700+(2026年3月時点) |
| フォーク数 | 572 |
| コントリビューター | 20名 |
| ステータス | Alpha software |
| 主要言語 | TypeScript (37.7%), Shell (30.6%), JavaScript (25.7%), Python (4.9%) |
リポジトリはGTC 2026(2026年3月16日)の発表と同時に公開され、急速にスター数を伸ばしています。ただし、現時点ではAlpha版であり、本番環境での使用は推奨されていません。
リポジトリのディレクトリ構成
NemoClawリポジトリは4つの主要コンポーネントで構成されています。
NemoClaw/
├── plugin/ # TypeScript CLIプラグイン
│ ├── src/ # メインソースコード
│ ├── tests/ # ユニットテスト
│ └── package.json
├── blueprint/ # Pythonオーケストレーター
│ ├── blueprint.yaml # 推論プロファイル定義
│ ├── setup.py
│ └── requirements.txt
├── sandbox/ # OpenShellコンテナ定義
│ ├── Dockerfile
│ ├── policies/ # セキュリティポリシーファイル
│ └── entrypoint.sh
├── docs/ # ドキュメント
├── examples/ # サンプル構成
├── scripts/ # ユーティリティスクリプト
├── LICENSE # Apache 2.0
├── README.md
└── CONTRIBUTING.md
Plugin(TypeScript CLIプラグイン)
NemoClawの中核となるコンポーネントです。OpenClaw CLIのプラグインとして動作し、サンドボックスのライフサイクル管理を担当します。
- 言語: TypeScript
- 役割: サンドボックスの起動・停止・監視、ポリシー施行、推論ルーティング
- エントリポイント:
plugin/src/index.ts - ビルド:
npm run build
プラグインアーキテクチャにより、OpenClawのコア機能を変更することなくエンタープライズ向けのセキュリティ層を追加しています。
Blueprint(Pythonオーケストレーター)
環境のセットアップとリソースのオーケストレーションを担当するPythonコンポーネントです。
- 言語: Python
- 役割: 推論プロバイダの管理、環境変数設定、サンドボックス構成の生成
- 設定ファイル:
blueprint/blueprint.yaml
blueprint.yamlは推論プロファイルの定義ファイルで、3つのプロファイル(Cloud NIM、nim-local、vLLM)が定義されています。
# blueprint.yaml(抜粋)
inference_profiles:
default:
provider: cloud-nim
model: nemotron-3-super-120b
api_endpoint: https://build.nvidia.com/v1
nim-local:
provider: nim
model: nemotron-3-super-120b
container: nvcr.io/nvidia/nim
vllm:
provider: vllm
model: nemotron-3-nano-30b
local: true
Sandbox(OpenShellコンテナ)
NemoClawのセキュリティ機構の実体となるコンテナ定義です。
- ベース: OpenShellランタイム
- Dockerfile:
sandbox/Dockerfile - セキュリティ機構(4層):
- ネットワーク分離 — 外部通信を制御
- ファイルシステム制限 —
/sandboxと/tmpのみアクセス可能 - プロセスレベルコントロール — 許可されたプロセスのみ実行
- 推論ルーティング制御 — 承認されたエンドポイントのみ通信
sandbox/policies/ディレクトリにはJSONベースのポリシーファイルが格納されており、企業のセキュリティ要件に応じてカスタマイズできます。
リポジトリのクローンからビルドまで
NemoClawをソースからビルドする手順です。コントリビュートや内部構造の理解に役立ちます。
クローンとビルド
# リポジトリをクローン
git clone https://github.com/NVIDIA/NemoClaw.git
cd NemoClaw
# プラグインのビルド
cd plugin
npm install
npm run build
npm link # CLIとして利用可能にする
# Blueprintのセットアップ
cd ../blueprint
python3 -m venv .venv
source .venv/bin/activate
pip install -r requirements.txt
# 動作確認
nemoclaw --version
テストの実行
# プラグインのユニットテスト
cd plugin
npm test
# Blueprintのテスト
cd ../blueprint
python3 -m pytest tests/
# E2Eテスト(Docker必要)
cd ..
npm run test:e2e
E2EテストにはDockerが必要です。テストではサンドボックスの起動・ポリシー適用・推論ルーティングが正常に動作するかを検証します。
コントリビューション(貢献)の方法
NemoClawはオープンソースプロジェクトとして、外部からのコントリビューションを受け付けています。CONTRIBUTING.mdに詳細なガイドラインが記載されています。
コントリビューションの流れ
- Issueを確認 — 既存のIssueから取り組むべきタスクを探す。
good first issueラベルが初心者向け - フォーク — リポジトリをフォークして自分のアカウントにコピー
- ブランチ作成 —
feature/your-feature-name形式でブランチを作成 - 開発・テスト — 変更を加え、テストが全てパスすることを確認
- Pull Request — NVIDIAのメインリポジトリにPRを作成
- レビュー — NVIDIAのメンテナーがコードレビューを実施
# フォークしたリポジトリをクローン
git clone https://github.com/YOUR_USERNAME/NemoClaw.git
cd NemoClaw
# アップストリームを追加
git remote add upstream https://github.com/NVIDIA/NemoClaw.git
# 最新のmainを取得
git fetch upstream
git checkout -b feature/my-feature upstream/main
注目のIssue・ロードマップ
NemoClawの開発ロードマップ上で注目度の高いIssueです。
| Issue | 内容 | 影響範囲 |
|---|---|---|
| #260 | macOS Apple Silicon対応改善 | Macユーザー全体 |
| #152 | WSL2 GPU割り当て失敗(Windows Home) | Windows Homeユーザー |
| #185 | Docker Model Runner統合 | ローカル推論ユーザー |
| #301 | カスタムポリシーテンプレート | エンタープライズユーザー |
| #315 | マルチテナント対応 | 大規模組織 |
GitHubのIssueタブでis:open label:enhancementでフィルタすると、今後追加予定の機能一覧を確認できます。
OpenClawとの関係性
NemoClawとOpenClawの関係は頻繁に混同されるため、正確に理解しておくことが重要です。
| 項目 | OpenClaw | NemoClaw |
|---|---|---|
| GitHub | openclaw/openclaw | NVIDIA/NemoClaw |
| スター数 | 61,000+ | 4,700+ |
| ライセンス | MIT | Apache 2.0 |
| コード行数 | 320,000行 | 約15,000行 |
| レイヤー | エージェントレイヤー | セキュリティレイヤー |
| 対象 | 全ユーザー | エンタープライズ |
NemoClawはOpenClawの「フォーク」ではなく「セキュリティスタック」です。OpenClawのエージェント機能はそのまま利用しつつ、NemoClawがサンドボックス化・ポリシー施行・ネットワーク制限・推論ルーティングの制御層を追加する構造になっています。
セキュリティポリシーと脆弱性報告
NemoClawのセキュリティに関する重要な情報です。
- 脆弱性報告:
SECURITY.mdに記載の手順に従い、公開IssueではなくNVIDIAのセキュリティチームに直接報告してください - セキュリティアドバイザリ: GitHubのSecurity Advisoriesタブで確認可能
- 依存関係の更新: Dependabotによる自動更新が有効化されており、脆弱性のある依存パッケージは自動でPRが作成されます
Alpha版であるため、セキュリティに関する問題が発見される可能性があります。本番環境での使用前に、必ず最新のセキュリティアドバイザリを確認してください。